人物事典 / さ行
狭野弟上娘子
さののおとがみのおとめ
生没年未詳(八世紀中頃)
人物について
後宮の蔵部に仕えた女嬬。「狭野茅上娘子」とも書く。中臣宅守と結ばれたが、宅守が越前に流され、離れて交わした二人の贈答歌六十三首が巻十五に載る。
古典ライブラリーで読める歌:『万葉集』21首
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『万葉集』の狭野弟上娘子
21首万葉集・3723〜3726番あしひきの 山路越えむとあしひきの 山路越えむと する君を 心に持ちて 安けくもなし 君が行く 道の長路を 繰り疊ね 燒き亡ぼさむ 天の火もがも わが背子し 蓋し罷らば 白妙の 袖を振らさね 見つつ慕ばむ この頃は 戀ひつつもあらむ 玉匣 明けてをちより 術なかるべし原文・訳・解説を読む 万葉集・3745〜3749番命あらば 逢ふこともあらむ命あらば 逢ふこともあらむ わが故に はたな思ひそ 命だに經ば 人の植うる 田は植ゑまさず 今更に 國別れして 吾はいかにせむ わが宿の 松の葉見つつ 吾待たむ 早歸りませ 戀ひ死なぬとに 他國は 住惡しとぞいふ 速けく 早歸りませ 戀ひ死なぬとに 他國に 君をいませて 何時までか 吾が戀ひ居らむ 時の知らなく原文・訳・解説を読む 万葉集・3750〜3753番天地の 至極のうらに天地の 至極のうらに 吾が如く 君に戀ふらむ 人は實あらじ 白妙の 吾が下衣 失はず 持てれ我が背子 直に逢ふまでに 春の日の うらがなしきに おくれ居て 君に戀ひつつ 顯しけめやも 逢はむ日の 形見にせよと 手弱女の 思ひ亂れて 縫へる衣ぞ原文・訳・解説を読む 万葉集・3767〜3774番魂は あしたゆふべに魂は あしたゆふべに 魂ふれど 吾が胸痛し 戀の繁きに この頃は 君を思ふと 術も無き 戀のみしつつ 哭のみしぞ泣く ぬばたまの 夜見し君を 明くる朝 逢はずまにして 今ぞ悔しき あぢま野に 宿れる君が 歸り來む 時の迎へを 何時とか待たむ 宮人の 安眠も寢ずて 今日今日と 待つらむものを 見えぬ君かも 歸りける 人來れりと いひしかば ほとほと死にき 君かと思ひて 君が共 行かましものを 同じこと 後れて居れど 良きことも無し 我が背子が 歸り來まさむ 時のため 命殘さむ 忘れたまふな原文・訳・解説を読む