古典ライブラリー

万葉集 巻第二十 4474番

群鳥の 朝立ち往にし

大伴家持(おおとものやかもち)

大伴家持が、後日、出雲守山背王の歌に追って和した歌。群れ鳥のように朝早く旅立って行ったあなたの身の上は、はっきりと聞いた、思っていたとおりにという歌。

朝空に飛び立つ鳥の群れ

題詞(出雲守山背王の歌に追和せる歌一首)

  1. 1群鳥むらとり群鳥むらとりむらとりののの武良等里乃
  2. 2朝あさ朝あさあさ立だ立だだちちち往い往いいにににししし安佐太知伊爾之
  3. 3君きみ君きみきみががが上うへ上うへうえははは伎美我宇倍波
  4. 4淸さや淸さやさやかかかににに聞き聞きききききつつつ左夜加爾伎吉都
  5. 5思おも思おもおもひひいししし如ごと如ごとごとくくく於毛比之其等久

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

(群鳥の)朝早く旅立って行ったあなたの身の上は、はっきりと聞きました。思っていたとおりに。

意訳

山背王が「元気でいると都の人に告げて」と詠んだのに答えて、確かにその無事を聞いたと応じた歌である。

語釈・文法注

文法・本文

群鳥の
「朝立ち」にかかる枕詞。
君が上
あなたの身の上。
淸かに
はっきりと。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。
出典
『万葉集』巻第二十・部立なし・4474番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
後日、家持が山背王の4473番の歌に答える形で作った歌。

修辞

枕詞
「群鳥の」。
追和
宴に居合わせなかった家持が、後から答える。

解説

家持は、宴の歌を伝え聞いて追和する歌を多く作っている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、746頁(コマ166)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、882頁(コマ205)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日