古典ライブラリー

万葉集 巻第二十 4314番

八千種に 草木を植ゑて

大伴家持(おおとものやかもち)

天平勝宝6年7月28日、大伴家持が詠んだ歌。さまざまな草木を庭に植えて、季節ごとに咲く花を見ながら賞美しようという歌。

さまざまな草木の植えられた庭

題詞(同じき月二十八日、大伴宿禰家持の作れる歌一首)

  1. 1八千種やちくさ八千種やちくさやちくさににに八千種爾
  2. 2草くさ草くさくさ木き木ききををを植う植ううゑゑえててて久佐奇乎宇惠弖
  3. 3時とき時ときとき毎ごと毎ごとごとににに等伎其等爾
  4. 4咲さ咲ささかかかむむん花はな花はなはなをををししし左加牟波奈乎之
  5. 5見み見みみつつつつつつ思しぬ思しぬしぬばばばななな見都追思努波奈

引用の仕方

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現代語訳

さまざまな草木を植えて、季節ごとに咲くだろう花を、見ながら賞美しよう。

意訳

庭に多くの草木を植えて、四季折々の花を楽しもうと詠んだ歌である。

語釈・文法注

文法・本文

八千種
「やちくさ」。さまざまな種類。
思ばな
「しぬばな」。賞美しよう。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。
出典
『万葉集』巻第二十・部立なし・4314番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
天平勝宝6年7月28日、大伴家持が詠んだ歌。

修辞

願望
「思ばな」と意志を表す。

解説

家持の庭への愛着がうかがえる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、720頁(コマ153)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、847頁(コマ187)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日