古典ライブラリー

万葉集 巻第二十 4305番

木の暗の 繁き尾の上を

大伴家持(おおとものやかもち)

天平勝宝6年4月、大伴家持がほととぎすを詠んだ歌。木の下闇の茂る尾根の上を、ほととぎすが鳴いて越えていく、今来たらしいという歌。

木の茂る尾根の上を鳴いて越えるほととぎす

題詞霍公鳥を詠める歌一首

  1. 1木こ木ここののの暗くれ暗くれくれののの許乃久禮能
  2. 2繁しげ繁しげしげききき尾を尾をおののの上へ上へえををを之氣伎乎乃倍乎
  3. 3ほととぎすほととぎすほととぎす保等登藝須
  4. 4鳴な鳴ななきききててて越こ越ここゆゆゆなりなりなり奈伎氐故由奈理
  5. 5今いま今いまいまししし來く來くくらしらしらしももも伊麻之久良之母

引用の仕方

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現代語訳

木の下闇の茂る尾根の上を、ほととぎすが鳴いて越えていくのが聞こえる。今ちょうど来たらしい。

意訳

初夏、ほととぎすの初音を聞いて、その到来を喜んだ歌である。

語釈・文法注

文法・本文

木の暗
「このくれ」。木の下闇。
尾の上
「をのへ」。尾根の上。
越ゆなり
越えていくのが聞こえる。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。
出典
『万葉集』巻第二十・部立なし・4305番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
天平勝宝6年4月、大伴家持がほととぎすを詠んだ歌。

修辞

聴覚
声によってほととぎすの到来を知る。

解説

家持のほととぎすの歌の一つ。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、719頁(コマ152)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、846頁(コマ187)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日