古典ライブラリー

万葉集 巻第二十 4304番

山吹の 花の盛に

大伴家持(おおとものやかもち)

天平勝宝6年3月25日、左大臣橘諸兄が山田御母の家で宴をしたとき、大伴家持が季節の花を見て作った歌。山吹の花の盛りに、このようにあなたを見ることは千年も続いてほしいという歌。

山吹の花の盛りの庭での宴

題詞同じき月二十五日、左大臣橘卿、山田御母の宅に宴せる歌一首

  1. 1山吹やまぶき山吹やまぶきやまぶきののの夜麻夫伎乃
  2. 2花はな花はなはなののの盛さかり盛さかりさかりににに花能左香利爾
  3. 3斯か斯かかくくくのののごとごとごと可久乃其等
  4. 4君きみ君きみきみををを見み見みみまくまくまくははは伎美乎見麻久波
  5. 5千年ちとせ千年ちとせちとせにににもがもがもがももも知登世爾母我母

引用の仕方

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現代語訳

山吹の花の盛りに、このようにあなたにお目にかかることは、千年も続いてほしいものだ。

意訳

橘諸兄の長寿を山吹の盛りに寄せて祝おうとした歌だが、披露する前に宴が終わってしまった。

語釈・文法注

文法・本文

見まくは
見ることは。
千年にもがも
千年も続いてほしい。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。
出典
『万葉集』巻第二十・部立なし・4304番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
天平勝宝6年3月25日、左大臣橘諸兄の宴のために大伴家持が作った歌。

修辞

ことほぎ
長寿を願う。

解説

山田御母は孝謙天皇の乳母。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、719頁(コマ152)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、845頁(コマ186)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日