古典ライブラリー

万葉集 巻第十九 4289番

青柳の 秀つ枝攀ぢ執り

大伴家持(おおとものやかもち)

天平勝宝5年2月19日、左大臣橘諸兄の家の宴で、手折った柳の枝を見て大伴家持が詠んだ歌。青柳の上の枝を引き寄せて取り、髪飾りにするのは、あなたの家で千年を祝おうと思ってのことだという歌。

青柳の枝を髪飾りにして宴に連なる人々

題詞二月十九日、左大臣橘家の宴にて、攀ぢ折れる柳の條を見る歌一首

  1. 1青柳あをやぎ青柳あをやぎあおやぎののの青柳乃
  2. 2秀ほ秀ほほつつつ枝え枝ええ攀よ攀よよぢぢじ執と執ととりりり保都枝與治等理
  3. 3蘰かづら蘰かづらかずらくくくははは可豆良久波
  4. 4君きみ君きみきみががが屋戸やど屋戸やどやどにににししし君之屋戸爾之
  5. 5千年ちとせ千年ちとせちとせ壽ほ壽ほほぐぐぐとととぞぞぞ千年保久等曾

引用の仕方

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現代語訳

青柳の上の枝を引き寄せて取り、髪飾りにするのは、あなたの家で千年の長寿を祝おうと思ってのことです。

意訳

左大臣橘諸兄の邸の宴で、青柳を髪に飾って主人の長寿を祝った歌である。

語釈・文法注

文法・本文

秀つ枝
「ほつえ」。上の枝。
攀ぢ執り
「よぢとり」。引き寄せて取って。
壽ぐ
「ほぐ」。祝う。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。
出典
『万葉集』巻第十九・部立なし・4289番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
天平勝宝5年2月19日、左大臣橘諸兄の家の宴で大伴家持が詠んだ歌。

修辞

ことほぎ
主人の長寿を祝う。

解説

このあと家持の「春愁三首」(4290〜4292番)が続く。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、706頁(コマ146)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、833頁(コマ180)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日