古典ライブラリー

万葉集 巻第十九 4256番

古に 君の三代經て

大伴家持(おおとものやかもち)

天平勝宝3年、大伴家持が左大臣橘諸兄の長寿を祝うために前もって作った歌。昔からわが主君は三代の天皇にお仕えしてきた、どうか七代までお仕えくださいという歌。

老いた左大臣を祝う宴

題詞左大臣橘卿を壽がむ爲、預て作れる歌一首

  1. 1古いにしへ古いにしへいにしえににに古昔爾
  2. 2君きみ君きみきみののの三代みよ三代みよみよ經へ經へへててて君之三代經
  3. 3仕つか仕つかつかへへえけりけりけり仕家利
  4. 4吾わ吾わわががが大主おほぬし大主おほぬしおおぬしははは吾大主波
  5. 5七世ななよ七世ななよななよ申まを申まをもうさささねねね七世申禰

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

昔から、主君は三代の天皇にお仕えしてこられた。わが主君よ、七代までもお仕えなさいませ。

意訳

元明・元正・聖武の三代に仕えた橘諸兄の長寿と繁栄を祝い、さらに七代まで仕えてほしいと願った歌である。

語釈・文法注

文法・本文

三代
「みよ」。三代の天皇。
大主
「おほぬし」。主君。橘諸兄を指す。
七世申さね
七代までお仕えください。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。
出典
『万葉集』巻第十九・部立なし・4256番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
天平勝宝3年、大伴家持が左大臣橘諸兄を寿ぐために前もって作った歌。

修辞

ことほぎ
長寿と繁栄を祝う。

解説

家持は橘諸兄と親しく、その政権下で重用された。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、700頁(コマ143)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、826頁(コマ177)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日