古典ライブラリー

万葉集 巻第十九 4239番

二上の 峯の上の繁に

大伴家持(おおとものやかもち)

天平勝宝3年4月16日、越中守大伴家持がほととぎすを詠んだ歌。二上山の峰の茂みにこもってしまったそのほととぎすは、待っていても来て鳴かないという歌。

二上山の峰の茂み

題詞霍公鳥を詠める歌一首

  1. 1二上ふたがみ二上ふたがみふたがみののの二上之
  2. 2峯を峯をおののの上へ上へえののの繁しげ繁しげしげににに峯於乃繁爾
  3. 3籠こも籠こもこもりりりにににししし許毛里爾之
  4. 4そのそのその霍公鳥ほととぎす霍公鳥ほととぎすほととぎす彼霍公鳥
  5. 5待ま待ままてててどどど來き來きき鳴な鳴ななかかかずずず待騰來奈賀受

引用の仕方

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現代語訳

二上山の峰の上の茂みにこもってしまった、そのほととぎすは、待っていても来て鳴かない。

意訳

二上山の茂みにこもって出てこないほととぎすを、待ちわびて詠んだ歌である。

語釈・文法注

文法・本文

峯の上
「をのへ」。峰の上。
繁
「しげ」。茂み。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。
出典
『万葉集』巻第十九・部立なし・4239番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
天平勝宝3年4月16日、越中守大伴家持がほととぎすを詠んだ歌。

修辞

待望
ほととぎすを待ちわびる。

解説

家持の越中での最後のほととぎすの歌の一つ。この年の7月、家持は少納言に任じられる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、696頁(コマ141)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、822頁(コマ175)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日