古典ライブラリー

万葉集 巻第十九 4229番

新たしき 年のはじめは

大伴家持(おおとものやかもち)

天平勝宝3年正月2日、越中守大伴家持の館での宴で、雪が四尺も積もった折に家持が詠んだ歌。新しい年の初めは、毎年このように雪を踏みならして、いつもこうして集いたいという歌。

正月の雪を踏みならして館に集まる人々

題詞天平勝寶三年

  1. 1新あら新あらあらたしきたしきたしき新
  2. 2年とし年としとしのののはじめはじめはじめははは年之初者
  3. 3彌年いやとし彌年いやとしいやとしににに彌年爾
  4. 4雪ゆき雪ゆきゆき踏ふ踏ふふみみみ平なら平ならならししし雪蹈平之
  5. 5常つね常つねつね斯か斯かかくくくにににもがもがもが常如此爾毛我

引用の仕方

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現代語訳

新しい年の初めには、毎年毎年、雪を踏みならして、いつもこのように集いたいものだ。

意訳

正月の宴に、四尺もの大雪を踏み分けて集まった人々を前に、毎年こうして新年を祝いたいと願った歌である。

語釈・文法注

文法・本文

新たしき
「あらたしき」。新しい。
彌年に
「いやとしに」。毎年毎年。
常斯くにもが
いつもこのようでありたい。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。
出典
『万葉集』巻第十九・部立なし・4229番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
天平勝宝3年正月2日、越中守大伴家持の館の宴の歌。

修辞

予祝
新年の宴の永続を願う。

解説

家持は天平宝字3年にも「新しき年の始の初春の今日降る雪のいや重け吉事」(4516番)と詠んでいる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、694頁(コマ140)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、819頁(コマ173)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日