万葉集 巻第十九 4219番
吾が屋戸の 萩咲きにけり
天平勝宝2年6月15日、大伴家持が、萩の早咲きの花を見て詠んだ歌。わが家の萩が咲いた、秋風の吹くのを待っていたら遠いからだろうかという歌。
場面イラスト(準備中)
題詞(六月十五日、芽子の早花を見て作れる歌)
現代語訳
わが家の萩が咲いたことだ。秋風の吹くのを待っていたら、あまりに遠いからであろうか。
意訳
まだ夏なのに咲いた萩を見て、秋風を待っていては遠すぎるので早く咲いたのだろうかと推し量った歌である。
語釈・文法注
文法・本文
- 芽子
- 「はぎ」。萩。
- いと遠みかも
- あまりに遠いからだろうか。
和歌
- 作者
- 大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。 - 出典
- 『万葉集』巻第十九・部立なし・4219番
- 歌体
- 短歌(五七五七七)
- 時期
- 第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
- 状況
- 天平勝宝2年6月15日、越中守大伴家持が、萩の早花を見て詠んだ歌。
修辞
- 推量
- 早く咲いた理由を推し量る。
解説
萩は秋の花で、六月に咲くのは早い。
関連
出典
- 底本
- 佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、692頁(コマ139)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 原文
- 佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、817頁(コマ172)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日