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万葉集 巻第十八 4124番

我が欲りし 雨は降り來ぬ

大伴家持(おおとものやかもち)

天平感宝元年6月4日、願っていた雨が降ったのを喜んで、大伴家持が詠んだ歌。私の願っていた雨が降って来た、このようであるならば、言葉に出して祈らなくても、この年の稔りは豊かだろうという歌。

日照りの田に降りそそぐ恵みの雨

題詞雨の落るを賀ぐ歌一首

  1. 1我わ我わわががが欲ほ欲ほほりりりししし和我保里之
  2. 2雨あめ雨あめあめははは降ふ降ふふりりり來き來ききぬぬぬ安米波布里伎奴
  3. 3斯か斯かかくくくしししあらあらあらばばば可久之安良婆
  4. 4言擧ことあげ言擧ことあげことあげせせせずずずともともとも許登安氣世受杼母
  5. 5年とし年としとしははは榮さか榮さかさかえええむむん登思波佐可延牟

引用の仕方

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現代語訳

私の願っていた雨は降って来た。このようであるならば、言葉に出して祈らなくても、今年の稔りは栄えるだろう。

意訳

雨乞いの長歌を詠んで三日後、待ち望んだ雨が降ったことを喜んだ歌である。言挙げをしなくても豊作になるだろうと、安堵の思いを詠む。

語釈・文法注

文法・本文

言擧
「ことあげ」。言葉に出して言い立てること。
年
その年の稲の稔り。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。
出典
『万葉集』巻第十八・部立なし・4124番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
天平感宝元年6月4日、越中守大伴家持が、雨の降ったのを喜んで詠んだ歌。

修辞

安堵
「年は榮えむ」と豊作を予祝する。

解説

4122・4123番の雨乞いの歌に続く歌である。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、664頁(コマ125)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、784頁(コマ156)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日