古典ライブラリー

万葉集 巻第十八 4119番

いにしへよ 偲びにければ

大伴家持(おおとものやかもち)

天平感宝元年閏5月、大伴家持がほととぎすの鳴くのを聞いて詠んだ歌。昔から賞美してきたので、ほととぎすの鳴く声を聞いて恋しく思われるという歌。

初夏の木立で鳴くほととぎす

題詞霍公鳥の喧くを聞きて作れる歌一首

  1. 1いにしへいにしへいにしえよよよ伊爾之敝欲
  2. 2偲しぬ偲しぬしぬびびびにににけれけれければばば之奴比爾家禮婆
  3. 3ほととぎすほととぎすほととぎす保等登伎須
  4. 4鳴な鳴ななくくく聲こゑ聲こゑこえ聞き聞きききききててて奈久許惠伎吉氏
  5. 5戀こひ戀こひこいしきしきしきものものものををを古非之吉物能乎

引用の仕方

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現代語訳

昔から賞美してきたので、ほととぎすの鳴く声を聞いて、恋しく思われることだ。

意訳

ほととぎすは昔から人々に愛されてきた鳥であるので、その声を聞くと、ひとしお心ひかれると詠んだ歌である。

語釈・文法注

文法・本文

いにしへよ
昔から。
偲びにければ
賞美してきたので。
戀しきものを
恋しく思われることだ。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。
出典
『万葉集』巻第十八・部立なし・4119番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
天平感宝元年閏5月、越中守大伴家持が、ほととぎすの声を聞いて詠んだ歌。

修辞

詠嘆
結句「戀しきものを」で詠嘆する。

解説

家持はほととぎすの歌を数多く詠んでいる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、662頁(コマ124)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、782頁(コマ155)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日