古典ライブラリー

万葉集 巻第十七 3926番

大宮の 内にも外にも

大伴家持(おおとものやかもち)

天平18年正月の大雪の日に、大伴家持が詔に応じて詠んだ歌。大宮の内にも外にも光るほどに降る白雪は、見ても飽きないという歌。

宮殿の内外に、白雪が光り輝くように積もっている

題詞大伴宿禰家持、詔に應ずる歌一首

  1. 1大おほ大おほおお宮みや宮みやみやののの大宮之
  2. 2內うち內うちうちにににももも外と外ととにににももも宇知爾毛刀爾毛
  3. 3光ひか光ひかひかるるるまでまでまで比賀流麻泥
  4. 4零ふ零ふふらすらすらす白しら白しらしら雪ゆき雪ゆきゆき零須白雪
  5. 5見み見みみれれれどどど飽あ飽ああかかかぬぬぬかもかもかも見禮杼安可奴香聞

引用の仕方

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現代語訳

大宮の内にも外にも光り輝くほどに降り積もる白雪は、いくら見ても見飽きないことだ。

意訳

元正太上天皇の御所での雪の宴で、家持が詔に応じて詠んだ歌で、宮殿の内外を光らせる白雪をたたえて太上天皇の御代を祝う。左注には、ほかの王卿の歌は記録されずに失われたこと、秦朝元が歌を作れず橘諸兄にからかわれたことが記される。

語釈・文法注

文法・本文

內にも外にも
宮殿の内にも外にも。
零らす
「ふらす」。降らせる、天が降らせなさる。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守・少納言・兵部少輔などを歴任し、晩年は中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した歌人で、その編纂にも深く関わったとされる。繊細で感傷的な歌風は、万葉集の第4期を代表する。百人一首の第6首の作者でもある。
出典
『万葉集』巻第十七・部立なし・3926番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
天平18年正月、大伴家持が詔に応じて詠んだ歌。

修辞

寿歌
白雪の輝きで御代をたたえる。

解説

このあと家持は閏七月に越中守に任じられ、越中へ赴任する。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、614頁(コマ100)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、718頁(コマ123)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日