古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1662番

沫雪の 消ぬべきものを

大伴田村大嬢(おおとものたむらのおおいらつめ)

沫雪のように消えてしまいそうな身なのに、今まで生きながらえてきたのは、あなたに逢おうと思ってのことです。大伴田村大嬢が妹の坂上大嬢に贈った歌。

雪の降る家で、姉が遠く離れた妹を思っている

題詞大伴田村大娘、妹坂上大娘に與ふる歌一首

  1. 1沫あわ沫あわあわ雪ゆき雪ゆきゆきののの沫雪之
  2. 2消け消けけぬぬぬべきべきべきものものものををを可消物乎
  3. 3今いま今いまいままでまでまでににに至今
  4. 4ながらへながらへながらへ經ふ經ふふるるるははは流經者
  5. 5妹いも妹いもいもににに遇あ遇ああははわむむんとととぞぞぞ妹爾相曾

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

沫雪のように消えてしまいそうなものなのに、今まで生きながらえてきたのは、あなたに逢おうと思ってのことです。

意訳

恋しさに消え入りそうな身でありながら今まで生きてきたのは、ただ妹に逢いたい一心からだと、姉妹の深い親愛を伝えている。

語釈・文法注

文法・本文

ながらへ經る
生きながらえる。

和歌

作者
大伴田村大嬢(生没年未詳)
大伴宿奈麻呂の娘。坂上大嬢の異母姉。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1662番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
大伴田村大嬢が異母妹の坂上大嬢に贈った歌。

解説

姉妹の贈答の歌が巻第八にくり返し収められている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、337頁(コマ172)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、381頁(コマ196)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日