古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1663番

沫雪の 庭に零りしき

大伴家持(おおとものやかもち)

沫雪が庭に降り積もる寒い夜に、恋人の手枕もせずに、ひとりで寝るのだろうか。大伴家持の歌。巻第八の最後の歌。

雪の降り積もる寒い夜、若者がひとり寝所で横になっている

題詞大伴宿禰家持の歌一首

  1. 1沫あわ沫あわあわ雪ゆき雪ゆきゆきののの沫雪乃
  2. 2庭には庭にはにはににに零ふ零ふふりりりしきしきしき庭爾零敷
  3. 3寒さむ寒さむさむききき夜よ夜よよををを寒夜乎
  4. 4手た手たた枕まくら枕まくらまくら纏ま纏ままかかかずずず手枕不纏
  5. 5一ひと一ひとひと人り人りりかもかもかも宿ね宿ねねむむむ一香聞將宿

引用の仕方

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現代語訳

沫雪が庭に降り積もる寒い夜を、手枕もせずに、ひとりで寝るのだろうか。

意訳

雪の積もる冷えこむ夜、恋人の手枕もなく、ひとりで寝なければならない寂しさを歌っている。巻第八はこの歌で終わる。

語釈・文法注

文法・本文

手枕纏かず
恋人の腕を枕にしないで。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守などを務め、のちに中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1663番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
大伴家持の歌。

解説

巻第八は、春から冬まで四季の歌を雑歌と相聞に分けて並べ、家持の歌で結ばれている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、337頁(コマ172)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、381頁(コマ196)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日