古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1654番

松蔭の 淺茅が上の

大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)

松の陰の浅茅の上の白雪を、消さないでおく方法はないものか。大伴坂上郎女の雪の歌。

松の木陰の浅茅の上に、白い雪が消え残っている

題詞大伴坂上郎女の雪の歌一首

  1. 1松まつ松まつまつ蔭かげ蔭かげかげののの松影乃
  2. 2淺あさ淺あさあさ茅ぢ茅ぢじががが上うへ上うへうえののの淺茅之上乃
  3. 3白しら白しらしら雪ゆき雪ゆきゆきををを白雪乎
  4. 4消け消けけたたたずずずててて置お置おおかかかむむん不令消將置
  5. 5ことことことはははかもかもかも無な無ななききき言者可聞奈吉

引用の仕方

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現代語訳

松の陰の浅茅の上の白雪を、消さないでとっておく手だては、ないものだろうか。

意訳

松の木陰に消え残る美しい白雪を、いつまでも消さずにとっておきたいと惜しんでいる。冬雑歌の部はこの歌で終わる。

語釈・文法注

文法・本文

ことはかも無き
手だてはないものか。

和歌

作者
大伴坂上郎女(生没年未詳)
大伴安麻呂の娘で、旅人の異母妹。家持の叔母で、のちに姑となった。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1654番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
大伴坂上郎女の雪の歌。

解説

消えゆく雪を惜しむ、繊細な心の歌である。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、336頁(コマ172)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、379頁(コマ195)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日