古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1631番

今造る 久邇の京に

大伴家持(おおとものやかもち)

新しく造っている久邇の都で、秋の夜長にひとりで寝るのはつらい。大伴家持が安倍女郎に贈った歌。

造営中の恭仁京の宿舎で、秋の夜長に若者がひとり眠れずにいる

題詞大伴宿禰家持、安倍女郎に贈れる歌一首

  1. 1今いま今いまいま造つく造つくつくるるる今造
  2. 2久邇くに久邇くにくにののの京みやこ京みやこみやこににに久邇能京爾
  3. 3秋あき秋あきあきののの夜よ夜よよののの秋夜乃
  4. 4長なが長ながながきききににに獨ひとり獨ひとりひとり長爾獨
  5. 5宿ぬ宿ぬぬるるるががが苦くる苦くるくるしさしさしさ宿之苦左

引用の仕方

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現代語訳

新しく造っている久邇の都で、秋の夜の長いのに、ひとりで寝るのはつらいことだ。

意訳

恭仁京での単身の暮らしで、秋の夜長をひとりで過ごす寂しさを、安倍女郎に訴えている。

語釈・文法注

文法・本文

獨宿る
ひとりで寝る。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守などを務め、のちに中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1631番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
大伴家持が恭仁京から安倍女郎に贈った歌。

解説

恭仁京遷都は家族との別居を強いることになった。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、332頁(コマ170)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、375頁(コマ193)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日