古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1618番

玉に貫き 消たず賜らむ

湯原王(ゆはらのおおきみ)

玉として貫き、消さずにいただけないだろうか。秋萩の枝先のたわわな葉に置いている白露を。湯原王が娘子に贈った歌。

萩の枝先のしなやかな葉に、白露が玉のように連なっている

題詞湯原王、娘子に贈れる歌一首

  1. 1玉たま玉たまたまににに貫ぬ貫ぬぬききき玉爾貫
  2. 2消け消けけたたたずずず賜たば賜たばたばらららむむん不令消賜良牟
  3. 3秋あき秋あきあき萩はぎ萩はぎはぎののの秋芽子乃
  4. 4末うれ末うれうれわわらわわらわわら葉ば葉ばばににに宇禮和和良葉爾
  5. 5置お置おおけけけるるる白しら白しらしら露つゆ露つゆつゆ置有白露

引用の仕方

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現代語訳

玉として糸に貫いて、消さずにいただけないだろうか。秋萩の枝先のたわわな葉に置いている白露を。

意訳

萩の葉に置く美しい白露を、玉として消さずに自分にくれないかと娘子に頼んでいる。白露に娘子自身をたとえた恋の歌である。

語釈・文法注

文法・本文

わわら葉
たわわに茂った葉。
賜らむ
いただけるだろうか。

和歌

作者
湯原王(生没年未詳)
志貴皇子の子。清らかで繊細な歌を残した。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1618番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
湯原王が娘子に贈った歌。

修辞

見立て
白露を玉に見立てる。

解説

湯原王には娘子との贈答の歌が多い(巻第四の631番以下)。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、330頁(コマ169)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、373頁(コマ192)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日