古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1617番

秋萩に 置きたる露の

山口女王(やまぐちのおおきみ)

秋萩に置いた露が風に吹かれて落ちるように、落ちる涙はとどめることができない。山口女王が大伴家持に贈った歌。

風に揺れる萩の葉から露がこぼれ、女性が涙をぬぐっている

題詞山口女王、大伴宿禰家持に贈れる歌一首

  1. 1秋あき秋あきあき萩はぎ萩はぎはぎににに秋芽子爾
  2. 2置お置おおきききたるたるたる露つゆ露つゆつゆののの置有露乃
  3. 3風かぜ風かぜかぜ吹ふ吹ふふきききててて風吹而
  4. 4落お落おおつるつるつる淚なみだ淚なみだなみだははは落淚者
  5. 5留とど留とどとどみみみかねかねかねつつつももも留不勝都毛

引用の仕方

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現代語訳

秋萩に置いた露が風に吹かれて落ちるように、落ちる涙は、とどめることができない。

意訳

萩の露が風に散るように、恋しさにこぼれる涙を止めることができないと訴えている。

語釈・文法注

文法・本文

留みかねつも
とどめることができない。

和歌

作者
山口女王(生没年未詳)
大伴家持に歌を贈った女王。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1617番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
山口女王が大伴家持に贈った歌。

修辞

序詞
「秋萩に置きたる露の風吹きて」が「落つる」を導く。

解説

萩の露と涙を重ねた、女性らしい繊細な歌である。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、330頁(コマ169)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、372頁(コマ192)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日