古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1596番

妹が家の 門田を見むと

大伴家持(おおとものやかもち)

恋人の家の門の前の田を見ようと出て来た甲斐があって、月が明るく照っていることだ。大伴家持が娘子の家の門まで来て作った歌。

月の明るく照る夜、恋人の家の門前の田のそばに、若者が立っている

題詞大伴宿禰家持、娘子の門に到りて作れる歌一首

  1. 1妹いも妹いもいもががが家いへ家いへいえののの妹家之
  2. 2門かど門かどかど田た田たたををを見み見みみむむむととと門田乎見跡
  3. 3うちうちうち出いで出いでいで來こ來ここししし打出來之
  4. 4情こころ情こころこころもももしるくしるくしるく情毛知久
  5. 5照て照ててるるる月つく月つくつく夜よ夜よよかもかもかも照月夜鴨

引用の仕方

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現代語訳

恋人の家の門の前の田を見ようと、出て来た心の甲斐があって、明るく照っている月夜だなあ。

意訳

門田を見るという口実で恋人の家を訪ねて来たが、その心が通じたかのように月が明るく照っていると喜んでいる。

語釈・文法注

文法・本文

しるく
はっきりと、甲斐があって。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守などを務め、のちに中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1596番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
大伴家持が娘子の家の門まで来て作った歌。

解説

恋人を訪ねる口実を、門田の様子を見るためとしている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、327頁(コマ167)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、369頁(コマ190)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日