古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1546番

妹許と 吾が行く道の

市原王(いちはらのおおきみ)

妻のもとへと私が行く道に川があるので、附目緘結跡(訓み未詳)夜が更けてしまった。市原王の七夕の歌。

天の川の岸で、船を待つ彦星の姿が夜更けの中に浮かんでいる

題詞市原王の七夕の歌一首

  1. 1妹許いもがり妹許いもがりいもがりととと妹許登
  2. 2吾わ吾わわががが行ゆ行ゆゆくくく道みち道みちみちののの吾去道乃
  3. 3河かは河かはかはしししあれあれあればばば河有者
  4. 4附目緘結跡附目緘結跡附目緘結跡附目緘結跡
  5. 5夜よ夜よよぞぞぞ更くた更くたくたちちちけるけるける夜更降家類

引用の仕方

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現代語訳

妻のもとへと私が行く道に、天の川があるので、(第四句は訓みがわからない)夜が更けてしまった。

意訳

彦星の立場で、妻のもとへ行く道に天の川があるために、渡るのに手間どって夜が更けてしまったと嘆いている。第四句は古来訓みが定まらない難訓の句である。

語釈・文法注

文法・本文

妹許
「いもがり」。妻のもとへ。
附目緘結跡
難訓。船を綱で結んで準備するうちに、などの解がある。

和歌

作者
市原王(生没年未詳)
天智天皇の曾孫で、安貴王の子。大伴家持と親しかった。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1546番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
市原王の七夕の歌。

解説

万葉集にはこのような難訓の句がいくつか残っている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、320頁(コマ164)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、361頁(コマ186)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日