古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1498番

暇無み 來ざりし君に

大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)

暇がなくて来なかったあなたに、ほととぎすよ、私がこれほど恋しがっていると、行って告げておくれ。大伴坂上郎女の夏の恋の歌。

夏の夕空をほととぎすが飛んでいき、女性がそれを見送っている

題詞大伴坂上郎女の歌一首

  1. 1暇いとま暇いとまいとま無な無ななみみみ無暇
  2. 2來こ來ここざりざりざりししし君きみ君きみきみににに不來之君爾
  3. 3霍公鳥ほととぎす霍公鳥ほととぎすほととぎす霍公鳥
  4. 4吾わ吾わわががが斯か斯かかくくく戀こ戀ここふふうととと吾如此戀常
  5. 5行ゆ行ゆゆきききててて告つ告つつげげげこそこそこそ往而告社

引用の仕方

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現代語訳

暇がないので来なかったあなたに、ほととぎすよ、私がこんなに恋しがっていると、行って告げておくれ。

意訳

忙しくて訪ねて来ない恋人のもとへ、ほととぎすに使いをしてほしいと頼み、自分の恋しさを伝えようとしている。

語釈・文法注

文法・本文

告げこそ
告げてほしい。

和歌

作者
大伴坂上郎女(生没年未詳)
大伴安麻呂の娘で、旅人の異母妹。家持の叔母で、のちに姑となった。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1498番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
大伴坂上郎女の歌。夏相聞の初めの歌。

修辞

擬人法
ほととぎすを使いに見立てる。

解説

ほととぎすを恋の使いとする発想は、中国の詩にも見られる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、314頁(コマ161)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、353頁(コマ182)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日