古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1496番

吾が屋前の なでしこの花

大伴家持(おおとものやかもち)

わが家の庭の撫子の花は盛りだ。手折って一目見せてやる娘がいればよいのに。大伴家持の撫子の歌。

屋敷の庭に撫子の花が咲き盛り、若者が一枝を手折ろうとしている

題詞大伴家持の石竹花の歌一首

  1. 1吾わ吾わわががが屋に屋にに前は前ははののの吾屋前之
  2. 2なでしこなでしこなでしこののの花はな花はなはな瞿麥乃花
  3. 3盛さかり盛さかりさかりなりなりなり盛有
  4. 4手た手たた折を折をおりりりててて一ひと一ひとひと目め目めめ手折而一目
  5. 5見み見みみせせせむむん兒こ兒ここもがももがももがも令見兒毛我母

引用の仕方

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現代語訳

わが家の庭の撫子の花は、今が盛りだ。手折って一目見せてやる娘がいればよいのに。

意訳

咲き盛る撫子を見せたい相手がいないことを嘆いている。恋人と離れている寂しさがこめられている。

語釈・文法注

文法・本文

兒もがも
娘がいればよいのに。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守などを務め、のちに中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1496番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
大伴家持の撫子の歌。

解説

撫子は家持がとりわけ好んだ花である。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、314頁(コマ161)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、352頁(コマ182)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日