古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1489番

吾が屋前の 花橘は

大伴家持(おおとものやかもち)

わが家の庭の花橘は散ってしまって、玉に貫けるほどの実になったことだ。橘の花を惜しんだ大伴家持の歌。

花の散った橘の枝に、青い小さな実がたくさんなっている

題詞大伴家持の橘花を惜しむ歌一首

  1. 1吾わ吾わわががが屋に屋にに前は前ははののの吾屋前之
  2. 2花はな花はなはな橘たちばな橘たちばなたちばなははは花橘者
  3. 3散ち散ちちりりり過す過すすぎぎぎててて落過而
  4. 4珠たま珠たまたまににに貫ぬ貫ぬぬくくくべくべくべく珠爾可貫
  5. 5實み實みみににになりなりなりにににけりけりけり實爾成二家利

引用の仕方

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現代語訳

わが家の庭の花橘は散ってしまって、玉に貫けるほどの実になったことだ。

意訳

花橘の花は散ってしまい、玉に貫けるほどの実がなった。実がなった喜びの中に、花の散った寂しさがこめられている。

語釈・文法注

文法・本文

珠に貫くべく
玉として緒に通せるほどに。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守などを務め、のちに中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1489番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
大伴家持が橘の花を惜しんで詠んだ歌。

解説

1478番で実がなるのを待っていた歌と呼応している。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、313頁(コマ160)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、351頁(コマ181)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日