古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1488番

何處には 鳴きもしにけむ

大伴家持(おおとものやかもち)

ほかの所ではもう鳴いたのだろうが、ほととぎすがわが家の里では、今日やっと鳴いた。ほととぎすの声を喜んだ大伴家持の歌。

里の木立でほととぎすが鳴き、若者が顔をほころばせている

題詞大伴家持の霍公鳥を懽ぶ歌一首

  1. 1何處いづく何處いづくいずくにににははは何處者
  2. 2鳴な鳴ななきききもももしししにににけむけむけん鳴毛思仁家武
  3. 3霍公鳥ほととぎす霍公鳥ほととぎすほととぎす霍公鳥
  4. 4吾家わぎへ吾家わぎへわぎえののの里さと里さとさとににに吾家乃里爾
  5. 5今け今けけ日ふ日ふふのみのみのみぞぞぞ鳴な鳴ななくくく今日耳曾鳴

引用の仕方

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現代語訳

よその所ではもう鳴いたのだろうが、ほととぎすは、わが家の里では、今日はじめて鳴いた。

意訳

待ちわびていたほととぎすの声を、ようやく今日わが家の里で聞くことができた喜びを歌っている。

語釈・文法注

文法・本文

今日のみぞ
今日になってはじめて。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守などを務め、のちに中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1488番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
大伴家持がほととぎすの声を喜んで詠んだ歌。

解説

前の二首の恨みの歌と対になっている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、313頁(コマ160)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、351頁(コマ181)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日