万葉集 巻第八 1477〜1478番
卯の花も いまだ咲かねば
卯の花もまだ咲かないのに、ほととぎすが佐保の山辺に来て鳴きとよもしている。わが家の花橘は、いつになったら玉に貫けるほどの実がなるだろうか。大伴家持のほととぎすの歌と橘の歌。
場面イラスト(準備中)
題詞大伴家持の霍公鳥の歌一首/大伴家持の橘の歌一首
現代語訳
〔1477〕卯の花もまだ咲かないのに、ほととぎすが、佐保の山辺に来て鳴きとよもしている。
〔1478〕わが家の庭の花橘は、いつになったら、玉に貫けるほどに、その実がなるだろうか。
意訳
1477番は、卯の花も咲かないうちに早くもほととぎすが佐保の山辺で鳴いているのを喜ぶ歌、1478番は、庭の橘の実を薬玉に貫ける日を待ち望む歌である。若い家持の、季節の景物への関心がうかがえる。
語釈・文法注
文法・本文
- 屋前
- 「には」。庭。
和歌
- 作者
- 大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守などを務め、のちに中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した。 - 出典
- 『万葉集』巻第八・雑歌・1477〜1478番
- 歌体
- 短歌(五七五七七)
- 時期
- 第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
- 状況
- 大伴家持のほととぎすの歌と橘の歌。
解説
卯の花とほととぎす、橘と玉は、夏の歌の定番の取り合わせである。
関連
出典
- 底本
- 佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、311頁(コマ159)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 原文
- 佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、349頁(コマ180)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日