古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1476番

獨居て もの念ふ夕に

小治田広耳(おはりだのひろみみ)

ひとりで物思いをしている夕べに、ほととぎすがここを鳴いて渡っていく。心があるらしい。小治田広耳の歌。

夕暮れの部屋でひとり物思いにふける男の頭上を、ほととぎすが鳴いて渡っていく

題詞小治田朝臣廣耳の歌一首

  1. 1獨ひとり獨ひとりひとり居ゐ居ゐいててて獨居而
  2. 2ものものもの念おも念おもおもふふう夕よひ夕よひよいににに物念夕爾
  3. 3ほととぎすほととぎすほととぎす霍公鳥
  4. 4此間ここ此間ここここゆゆゆ鳴な鳴ななききき渡わた渡わたわたるるる從此間鳴渡
  5. 5心こころ心こころこころしししあるあるあるらしらしらし心四有良思

引用の仕方

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現代語訳

ひとりで物思いをしている夕べに、ほととぎすがここを鳴いて渡っていく。思いやる心があるらしい。

意訳

ひとり物思いにふける夕べ、ほととぎすがちょうど頭上を鳴いて渡っていった。自分の寂しさを察して鳴いてくれたのだろうと、鳥に心を見ている。

語釈・文法注

文法・本文

心しあるらし
心があるらしい。

和歌

作者
小治田広耳(生没年未詳)
奈良時代の官人。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1476番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
小治田広耳の歌。

修辞

擬人法
ほととぎすに心を認める。

解説

孤独な夕べにほととぎすの声を慰めとする歌である。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、311頁(コマ159)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、349頁(コマ180)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日