古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1475番

何しかも 許多戀ふる

大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)

どうしてこんなにひどく恋しがって鳴くのか、ほととぎすよ。その鳴く声を聞くと、私の恋しさもまさる。大伴坂上郎女のほととぎすの歌。

夏の夜、ほととぎすの声に女性が胸を押さえている

題詞大伴坂上郎女の霍公鳥の歌一首

  1. 1何なに何なになにしかしかしかももも何哥毛
  2. 2許ここ許ここここ多だ多だだ戀こ戀ここふるふるうる幾許戀流
  3. 3霍公鳥ほととぎす霍公鳥ほととぎすほととぎす霍公鳥
  4. 4鳴な鳴ななくくく聲こゑ聲こゑこえ聞き聞ききけけけばばば鳴音聞者
  5. 5戀こひ戀こひこいこそこそこそ益まさ益まさまされれれ戀許曾益禮

引用の仕方

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現代語訳

どうしてこんなにひどく恋しがって鳴くのか、ほととぎすよ。その鳴く声を聞くと、私の恋しさがまさるのに。

意訳

ほととぎすがしきりに恋しげに鳴くのを聞くと、自分の恋しさもいっそうつのってしまう。だからそんなに鳴かないでほしいという思いがこめられている。

語釈・文法注

文法・本文

何しかも
どうして…か。

和歌

作者
大伴坂上郎女(生没年未詳)
大伴安麻呂の娘で、旅人の異母妹。家持の叔母で、のちに姑となった。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1475番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
大伴坂上郎女のほととぎすの歌。

解説

ほととぎすの声と恋心を重ねる、坂上郎女らしい歌である。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、311頁(コマ159)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、349頁(コマ180)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日