古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1467番

霍公鳥 無かる國にも

弓削皇子(ゆげのみこ)

ほととぎすのいない国にでも行ってしまいたい。その鳴く声を聞くと、つらくてならない。弓削皇子の夏の歌。

ほととぎすの鳴く夏の夜、皇子が憂いに沈んで窓辺に座っている

題詞弓削皇子の御歌一首

  1. 1霍公鳥ほととぎす霍公鳥ほととぎすほととぎす霍公鳥
  2. 2無な無ななかるかるかる國くに國くにくににににももも無流國爾毛
  3. 3行ゆ行ゆゆきききてててしかしかしか去而師香
  4. 4そのそのその鳴な鳴ななくくく聲こゑ聲こゑこえををを其鳴音乎
  5. 5聞き聞ききけけけばばば苦くる苦くるくるしししももも聞者辛苦母

引用の仕方

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現代語訳

ほととぎすのいない国にでも行ってしまいたい。その鳴く声を聞くと、つらくてならない。

意訳

ほととぎすの声は昔や亡き人を思い出させ、聞くとつらくなる。いっそほととぎすのいない国へ行きたいと嘆いている。

語釈・文法注

文法・本文

行きてしか
行きたいものだ。

和歌

作者
弓削皇子(?–699)
天武天皇の皇子。額田王と歌を交わした。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1467番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第2期(672〜710年(壬申の乱〜平城京遷都))
状況
弓削皇子の夏の歌。

解説

ほととぎすの声を悲しみの種とする、珍しい発想の歌である。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、310頁(コマ159)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、347頁(コマ179)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日