古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1468番

ほととぎす 聲聞く小野の

小治田広瀬王(おはりだのひろせのおおきみ)

ほととぎすの声を聞いていた野に秋風が吹いて、萩が咲いたからだろうか、声が少なくなった。小治田広瀬王のほととぎすの歌。

夏の終わりの野に秋風が吹き、萩の花が咲き始めている

題詞小治田廣瀨王の霍公鳥の歌一首

  1. 1ほととぎすほととぎすほととぎす霍公鳥
  2. 2聲こゑ聲こゑこえ聞き聞ききくくく小を小をお野ぬ野ぬぬののの音聞小野乃
  3. 3秋あき秋あきあき風かぜ風かぜかぜににに秋風
  4. 4萩はぎ萩はぎはぎ咲さ咲ささきききぬれぬれぬれややや芽開禮也
  5. 5聲こゑ聲こゑこえののの乏とも乏ともともしきしきしき聲之乏寸

引用の仕方

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現代語訳

ほととぎすの声を聞いていた野の秋風に、萩が咲いたからだろうか。ほととぎすの声が少なくなった。

意訳

夏の間ほととぎすの声を楽しんだ野に秋風が吹き、萩が咲くころになると、ほととぎすの声もまれになった。季節の移り変わりを、鳥の声の変化でとらえている。

語釈・文法注

文法・本文

咲きぬれや
咲いたからだろうか。
乏しき
少ない。

和歌

作者
小治田広瀬王(?–722)
奈良時代初期の王族。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1468番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
小治田広瀬王のほととぎすの歌。

解説

夏から秋への移ろいを繊細にとらえている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、310頁(コマ159)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、347頁(コマ179)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日