古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1464番

春霞 たなびく山の

大伴家持(おおとものやかもち)

春霞のたなびく山が隔てているので、あなたに逢わないまま一月がたってしまった。久邇京から奈良の家の坂上大嬢に贈った家持の歌。

春霞のかかる山並みの向こうに奈良の都があり、恭仁京の若者が遠くを見つめている

題詞大伴家持、坂上大孃に贈れる歌一首

  1. 1春はる春はるはる霞がすみ霞がすみがすみ春霞
  2. 2たなびくたなびくたなびく山やま山やまやまののの輕引山乃
  3. 3隔へだ隔へだへだたれたれたればばば隔者
  4. 4妹いも妹いもいもににに逢あ逢ああははわずずずててて妹爾不相而
  5. 5月つき月つきつきぞぞぞ經へ經へへにににけるけるける月曾經爾來

引用の仕方

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現代語訳

春霞のたなびく山が隔てているので、あなたに逢わないで、一月がたってしまった。

意訳

恭仁京に都が移り、家持は奈良の家に残る大嬢と離れて暮らしていた。春霞のかかる山に隔てられて、逢えないまま一月が過ぎてしまったと嘆いている。

語釈・文法注

文法・本文

隔たれば
隔てているので。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守などを務め、のちに中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1464番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
大伴家持が恭仁京から奈良の家の坂上大嬢に贈った歌。

解説

恭仁京と奈良の間の奈良山が、恋人たちを隔てている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、309頁(コマ158)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、347頁(コマ179)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日