古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1441番

うち霧し 雪は零りつつ

大伴家持(おおとものやかもち)

空を曇らせて雪は降り続いているが、それでもやはり、わが家の庭に鶯が鳴いている。大伴家持の鶯の歌。

雪の降る屋敷の庭の梅の枝に、鶯がとまって鳴いている

題詞大伴宿禰家持の鶯の歌一首

  1. 1うちうちうち霧きら霧きらきらししし打霧之
  2. 2雪ゆき雪ゆきゆきははは零ふ零ふふりりりつつつつつつ雪者零乍
  3. 3然しか然しかしかすがにすがにすがに然爲我二
  4. 4吾家わぎへ吾家わぎへわぎえののの苑その苑そのそのににに吾宅乃苑爾
  5. 5うぐひすうぐひすうぐいす鳴な鳴ななくくくももも鶯鳴裳

引用の仕方

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現代語訳

空を曇らせて雪は降り続いているけれど、それでもやはり、わが家の庭に鶯が鳴いていることだ。

意訳

雪はまだ降っているのに、庭では鶯が鳴いて、春の訪れを告げている。冬と春が入りまじる季節の情景である。

語釈・文法注

文法・本文

うち霧らし
空を曇らせて。
然すがに
そうはいってもやはり。

和歌

作者
大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守などを務め、のちに中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残した。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1441番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
大伴家持の鶯の歌。

解説

雪と鶯の取り合わせで早春をとらえた、若い家持の歌である。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、306頁(コマ157)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、342頁(コマ177)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日