古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1440番

春の雨の しくしく零るに

河辺東人(かわべのあずまひと)

春の雨がしきりに降っているが、高円の山の桜はどうなっているだろうか。河辺東人の歌。

春雨にけむる高円山の斜面に、桜の花がぼんやりと見える

題詞河邊朝臣東人の歌一首

  1. 1春はる春はるはるののの雨あめ雨あめあめののの春雨乃
  2. 2しくしくしくしくしくしく零ふ零ふふるるるににに敷布零爾
  3. 3高圓たかまと高圓たかまとたかまとののの高圓
  4. 4山やま山やまやまののの櫻さくら櫻さくらさくらははは山能櫻者
  5. 5いかにいかにいかにかかかあるあるあるらむらむらん何如有良武

引用の仕方

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現代語訳

春の雨がしきりに降っているので、高円の山の桜は、どうなっているだろうか。

意訳

降り続く春雨に、高円山の桜は散ってしまわないか、それとも雨に誘われて咲いたかと、気にかけている。

語釈・文法注

文法・本文

しくしく
しきりに、絶え間なく。

和歌

作者
河辺東人(生没年未詳)
奈良時代の官人。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1440番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
河辺東人の春の歌。

解説

高円山は奈良の東の山で、貴族たちの遊覧の地であった。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、306頁(コマ157)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、342頁(コマ177)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日