古典ライブラリー

万葉集 巻第六 1003番

海をとめ 玉求むらし

葛井大成(ふじいのおおなり)

海人の娘たちが真珠を求めているらしい。沖の波の恐ろしい海に、船出しているのが見える。葛井大成が遠くの海人の釣船を見て詠んだ歌。

荒波の立つ沖へ、小さな舟に乗った海女たちが漕ぎ出していく

題詞筑後守外從五位下葛井連大成、遙に海人の釣船を見て作れる歌一首

  1. 1海あま海あまあまをとめをとめおとめ海𡢳嬬
  2. 2玉たま玉たまたま求もと求もともとむむむらしらしらし玉求良之
  3. 3沖おき沖おきおきつつつ浪なみ浪なみなみ奧浪
  4. 4恐かしこ恐かしこかしこききき海うみ海うみうみににに恐海爾
  5. 5船ふな船ふなふな出で出ででせせせりりり見み見みみゆゆゆ船出爲利所見

引用の仕方

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現代語訳

海人の娘たちが真珠を求めているらしい。沖の波の恐ろしい海に、船出しているのが見える。

意訳

遠くの海に、海人の娘たちの舟が漕ぎ出していく。真珠をとるために、波の荒い恐ろしい海へも出ていくのだろうと、働く娘たちの姿を見守っている。

語釈・文法注

文法・本文

船出せり見ゆ
終止形+「見ゆ」。船出しているのが見える。

和歌

作者
葛井大成(生没年未詳)
奈良時代の官人。筑後守を務め、梅花の宴にも加わった。
出典
『万葉集』巻第六・雑歌・1003番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
筑後守の葛井大成が、遠く海人の釣船を見て詠んだ歌。

解説

終止形に「見ゆ」が続く、万葉集に特有の語法の例である。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、241頁(コマ124)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、264頁(コマ138)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日