万葉集 巻第四 576番
今よりは 城の山道は
これからは城の山道はさびしくなるだろう。私が通おうと思っていたのに。大伴旅人が都へ帰った後、筑後守の葛井大成が嘆いた歌。
場面イラスト(準備中)
題詞太宰帥大伴卿の京に上りし後、筑後守葛井連大成、悲嘆して作れる歌一首
現代語訳
これからは、城の山道はさびしいことだろう。私が通っていこうと思っていたのに。
意訳
筑後国から大宰府へは、基肄城のある城の山を越えて通った。旅人がいたころは、その道を通うのが楽しみだった。旅人が都へ帰った今、その山道もさびしいものになるだろうと嘆いている。
語釈・文法注
文法・本文
- 城の山
- 基肄城(きいじょう)のある山。佐賀県基山町と福岡県筑紫野市の境。
和歌
- 作者
- 葛井大成(生没年未詳)
奈良時代の官人。筑後守を務め、梅花の宴にも加わった。 - 出典
- 『万葉集』巻第四・相聞・576番
- 歌体
- 短歌(五七五七七)
- 時期
- 第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
- 状況
- 大宰帥の大伴旅人が都へ上った後、筑後守の葛井大成が嘆いて詠んだ歌。
解説
旅人を中心とする筑紫歌壇の人々の交わりの深さをうかがわせる歌である。
関連
出典
- 底本
- 佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、160頁(コマ84)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 原文
- 佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、168頁(コマ90)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日