万葉集 巻第三 403番
朝に日に
朝も昼も見ていたいと思うその玉を、どうしたら手から離さずにいられるだろうか。玉にたとえて、坂上大嬢をいつもそばに置きたいと願う若い家持の歌。
場面イラスト(準備中)
題詞大伴宿禰家持、同じき坂上家の大孃に贈れる歌一首
現代語訳
朝も昼もいつも見ていたいと思うその玉を、どうしたら手から離さずにいられるだろうか。
意訳
家持は、のちに妻となる従妹の坂上大嬢を、いつも見ていたい美しい玉にたとえ、どうしたらその玉を手から離さずにいられるだろうと歌う。若い家持の素直な恋心が表れている。
語釈・文法注
文法・本文
- 手ゆ離れざらむ
- 「ゆ」は「…から」。手から離れずにいるだろうか。
和歌
- 作者
- 大伴家持(718?–785)
大伴旅人の子。越中守などを務め、のちに中納言に至った。万葉集に最も多くの歌を残し、その編纂に深くかかわったとされる。 - 出典
- 『万葉集』巻第三・譬喩歌・403番
- 歌体
- 短歌(五七五七七)
- 時期
- 第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
- 状況
- 大伴家持が、坂上家の大嬢(坂上郎女の長女、のちの家持の妻)に贈った歌。
修辞
- 譬喩
- 玉に恋人をたとえる。
解説
家持と坂上大嬢は、若いころに恋をし、一時は疎遠になったが、のちに結ばれた。巻第四・第八に二人の贈答歌が多く残る。
関連
出典
- 底本
- 佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、115頁(コマ61)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 原文
- 佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、117頁(コマ64)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日