古今和歌集 巻第十七 雑歌上 926番
たちぬはぬ
裁ちも縫いもしない衣を着た仙人もいないのに、どうして山姫は布を晒しているのだろう。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕竜門寺に参詣して、滝のもとで詠んだ歌。
裁ちも縫いもしない衣を着た仙人もいないのに、どうして山姫は布を晒しているのだろう。
意訳
竜門には仙人が住んだという伝説をふまえ、滝を山姫が晒す布に見立てる。
語釈・文法注
- たちぬはぬきぬ
- 裁ちも縫いもしない衣。仙人の衣。
- 山姫
- 山の女神。
和歌
- 作者
- 伊勢(いせ) 872?–938?
伊勢守藤原継蔭の娘。宇多天皇の中宮温子に仕え、宇多天皇の皇子を産んだ。のち敦慶親王との間に娘の中務(歌人)を産んだ。『古今和歌集』に女性歌人として最も多い歌が入る。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十七・雑歌上・926番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「龍門にまうでて瀧のもとにてよめる」(竜門寺に参詣して、滝のもとで詠んだ歌)。
修辞
- 見立て
- 滝を布に見立てる。
解説
伊勢の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、167頁(コマ97)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日