古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十七 雑歌上 920番

水の上に

伊勢(いせ)

水の上に浮かぶ船があなた様であったなら、ここが泊まりの港ですと申し上げますのに。

作者
伊勢
  1. 1中務なかつかさ中務なかつかさなかつかさのみこののみこののみこの家いへ家いへいえののの池いけ池いけいけににに船ふね船ふねふねをををつくりておろしはじめてあそびけるつくりておろしはじめてあそびけるつくりておろしわじめてあそびける日ひ日ひひ法皇ほふわう法皇ほふわうほうおう御覽ごらん御覽ごらんごらんじにおはしましたりけりじにおはしましたりけりじにおわしましたりけり夕ゆふ夕ゆふゆうさりつかたさりつかたさりつかた歸かへ歸かへかえりおはしまさむとしけるりおはしまさむとしけるりおわしまさむとしける折を折をおによみてによみてによみて奉たてまつ奉たてまつたてまつりけるりけるりける詞書
  2. 2水みづ水みづみずののの上うへ上うへうえににに初句
  3. 3浮うか浮うかうかべるべるべる船ふね船ふねふねののの二句
  4. 4君きみ君きみきみならばならばならば三句
  5. 5ここぞとまりとここぞとまりとここぞとまりと四句
  6. 6いはましものいはましものいわましものををを結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕中務親王の家の池に船を造って、初めて浮かべて遊んだ日、法皇がご覧にいらっしゃった。夕方にお帰りになろうとした時に詠んで献上した歌。

水の上に浮かぶ船があなた様であったなら、ここが泊まりの港ですと申し上げますのに。

意訳

帰ろうとする法皇を船にたとえ、ここに泊まってほしいと引きとめる。

語釈・文法注

とまり
船の泊まる所。「泊まる」をかける。

和歌

作者
伊勢(いせ) 872?–938?
伊勢守藤原継蔭の娘。宇多天皇の中宮温子に仕え、宇多天皇の皇子を産んだ。のち敦慶親王との間に娘の中務(歌人)を産んだ。『古今和歌集』に女性歌人として最も多い歌が入る。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十七・雑歌上・920番
歌体
短歌
状況
詞書「中務のみこの家の池に船をつくりておろしはじめてあそびける日法皇御覽じにおはしましたりけり夕さりつかた歸りおはしまさむとしける折によみて奉りける」(中務親王の家の池に船を造って、初めて浮かべて遊んだ日、法皇がご覧にいらっしゃった。夕方にお帰りになろうとした時に詠んで献上した歌)。

解説

伊勢の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、165〜166頁(コマ96)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日