古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十七 雑歌上 919番

あしたづの

紀貫之(きのつらゆき)

鶴の立っている川辺を吹く風に、寄せて帰らない白波かと見ることだ。

作者
貫之(紀貫之)
  1. 1法皇ほふわう法皇ほふわうほうおう西川にしかは西川にしかはにしかわにおはしましたりけるにおはしましたりけるにおわしましたりける日ひ日ひひ鶴洲たづす鶴洲たづすたずすにたてりといふことにたてりといふことにたてりということををを題だい題だいだいにてよませにてよませにてよませ給たま給たまたまひけるひけるいける詞書
  2. 2あしたづのあしたづのあしたずの初句
  3. 3たてるたてるたてる川邊かはべ川邊かはべかわべををを二句
  4. 4吹ふ吹ふふくくく風かぜ風かぜかぜににに三句
  5. 5よせてよせてよせて歸かへ歸かへかえらぬらぬらぬ四句
  6. 6波なみ波なみなみかとぞかとぞかとぞ見み見みみるるる結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕法皇(宇多法皇)が西川(大堰川)にいらっしゃった日、「鶴が洲に立っている」ということを題にして詠ませなさった歌。

鶴の立っている川辺を吹く風に、寄せて帰らない白波かと見ることだ。

意訳

洲に立つ白い鶴を、風に寄せたまま返らない白波に見立てた。

語釈・文法注

和歌

作者
紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十七・雑歌上・919番
歌体
短歌
状況
詞書「法皇西川におはしましたりける日鶴洲にたてりといふことを題にてよませ給ひける」(法皇(宇多法皇)が西川(大堰川)にいらっしゃった日、「鶴が洲に立っている」ということを題にして詠ませなさった歌)。

修辞

見立て
鶴を白波に見立てる。

解説

紀貫之の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、165頁(コマ96)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日