古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十七 雑歌上 918番

雨により

紀貫之(きのつらゆき)

雨のために田蓑の島を今日行くと、蓑という名なのに、身は隠れないものであった。

作者
貫之(紀貫之)
  1. 1難波なには難波なにはなにわへへへまかりけるときまかりけるときまかりけるとき田蓑たみの田蓑たみのたみのののの島しま島しましまにてにてにて雨あめ雨あめあめにあひてよめるにあひてよめるにあいてよめる詞書
  2. 2雨あめ雨あめあめによりによりにより初句
  3. 3田蓑たみの田蓑たみのたみのののの島しま島しましまををを二句
  4. 4今日けふ今日けふきょうゆけばゆけばゆけば三句
  5. 5なになになにははは隱かく隱かくかくれぬれぬれぬ四句
  6. 6物もの物ものものにぞにぞにぞ有あ有あありけるりけるりける結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕難波へ行った時、田蓑の島で雨に降られて詠んだ歌。

雨のために田蓑の島を今日行くと、蓑という名なのに、身は隠れないものであった。

意訳

「田蓑」の「蓑」は名ばかりで雨を防げない、と地名でおどける。

語釈・文法注

なには
「名には」と「難波」。

和歌

作者
紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十七・雑歌上・918番
歌体
短歌
状況
詞書「難波へまかりけるとき田蓑の島にて雨にあひてよめる」(難波へ行った時、田蓑の島で雨に降られて詠んだ歌)。

修辞

掛詞
「なには」。

解説

紀貫之の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、165頁(コマ96)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日