古今和歌集 巻第十七 雑歌上 872番
あまつ風
空の風よ、雲の中の通り道を吹き閉ざしてくれ。天女のように美しい舞姫の姿を、しばらくここにとどめておこう。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕五節の舞姫を見て詠んだ歌。
空の風よ、雲の中の通り道を吹き閉ざしてくれ。天女のように美しい舞姫の姿を、しばらくここにとどめておこう。
意訳
宮中で舞う五節の舞姫を天女に見立て、天に帰らないように雲の通い路を閉ざしてくれと風に頼む。
語釈・文法注
- 五節の舞姫
- 新嘗祭などで舞を舞う少女。
- 雲のかよひぢ
- 雲の中の通り道。天女が天と地を行き来する道。
和歌
- 作者
- 僧正遍昭(そうじょうへんじょう) 816–890
桓武天皇の孫で、俗名は良岑宗貞(よしみねのむねさだ)。仁明天皇に仕えて蔵人頭となったが、天皇の崩御を機に出家し、のちに僧正となって元慶寺・花山寺を開いた。素性法師の父。六歌仙・三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十七・雑歌上・872番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「五節の舞姫を見てよめる」(五節の舞姫を見て詠んだ歌)。
修辞
- 見立て
- 舞姫を天女に見立てる。
解説
良岑宗貞(のちの僧正遍昭)の出家前の歌で、百人一首第十二首にも採られた。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、157頁(コマ92)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日