古今和歌集 巻第八 離別歌 397番
秋萩の
秋萩の花を雨に濡らしても(惜しいけれど)、あなたとの別れはそれにもまして惜しく思われます。

現代語訳
〔詞書〕雷鳴の壺に召された日、お酒などをいただいて、雨がひどく降ったので夕方まで控えて、退出しました時に、盃を取って詠んだ歌。
秋萩の花を雨に濡らしても(惜しいけれど)、あなたとの別れはそれにもまして惜しく思われます。
意訳
雨に濡れる萩の花も惜しいが、それ以上に、別れる相手が惜しい、と宴の席の別れを惜しむ。
語釈・文法注
- かんなりのつぼ
- 襲芳舎。
- をしとこそ思へ
- 惜しいと思う。
和歌
- 作者
- 紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第八・離別歌・397番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「かんなりのつぼにめしたりける日おほみきなどたうべて雨のいたう降りければ夕さりまで侍りてまかり出で侍りける折にさかづきをとりて」(雷鳴の壺に召された日、お酒などをいただいて、雨がひどく降ったので夕方まで控えて、退出しました時に、盃を取って詠んだ歌)。
解説
紀貫之の歌。次の兼覧王の返歌と贈答になる。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、74頁(コマ50)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日