古典ライブラリー

古今和歌集 巻第八 離別歌 382番

歸山

凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)

帰山という山があっても、何の甲斐があろう。来てもとどまらず帰っていくという名前であったのだ。

「歸山」の歌をもとにした情景。帰山という山があっても、何の甲斐があろう。来てもとどまらず帰っていくという名前であったのだ。
「歸山」の歌をもとにした情景。帰山という山があっても、何の甲斐があろう。来てもとどまらず帰っていくという名前であったのだ。
作者
凡河内躬恒
  1. 1あひしれりけるあひしれりけるあいしれりける人ひと人ひとひとのこしののこしののこしの國くに國くにくににまかりてにまかりてにまかりて年とし年としとしへてへてへて京きやう京きやうきょうにまうできてにまうできてにもうできて又また又またまた歸かへ歸かへかえりけるりけるりける時とき時ときときによめるによめるによめる詞書
  2. 2歸かへる歸かへるかえる山やま山やまやま初句
  3. 3何なに何なになにぞはありてぞはありてぞわありて二句
  4. 4あるかひあるかひあるかいははは三句
  5. 5來き來ききてもてもても留とま留とまとまらぬらぬらぬ四句
  6. 6名な名ななにこそありけれにこそありけれにこそありけれ結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

〔詞書〕知り合いの人が越の国へ下って何年かたってから京に来て、また帰っていった時に詠んだ歌。

帰山という山があっても、何の甲斐があろう。来てもとどまらず帰っていくという名前であったのだ。

意訳

「帰る」という名の山があるから帰ってくると思ったのに、来てもまた帰ってしまう名前だった、と再会と別れを嘆く。

語釈・文法注

帰山
越前国の歌枕。
何ぞは
何であろうか。
とまらぬ名
とどまらない名前。

和歌

作者
凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第八・離別歌・382番
歌体
短歌
状況
詞書「あひしれりける人のこしの國にまかりて年へて京にまうできて又歸りける時によめる」(知り合いの人が越の国へ下って何年かたってから京に来て、また帰っていった時に詠んだ歌)。

修辞

掛詞
「かへる」に「帰る」と地名。

解説

凡河内躬恒の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、70〜71頁(コマ48)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日