古今和歌集 巻第六 冬歌 338番
我がまたぬ
私の待ってもいない新年はやって来たが、冬草が枯れるように離れていった人は、便りもよこさない。

現代語訳
〔詞書〕他所へ出かけていった人を待って、十二月の末日に詠んだ歌。
私の待ってもいない新年はやって来たが、冬草が枯れるように離れていった人は、便りもよこさない。
意訳
待ちもしない新年は来るのに、待つ人は来ない、と年の暮れに嘆く。
語釈・文法注
- しはすのつごもり
- 十二月の末日。
- かれにし
- 「離れにし」と「枯れにし」。
和歌
- 作者
- 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第六・冬歌・338番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「物へまかりける人を待ちてしはすのつごもりによめる」(他所へ出かけていった人を待って、十二月の末日に詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「かれ」に「離れ」と「枯れ」。
解説
躬恒の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、60〜61頁(コマ43)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日