古今和歌集 巻第六 冬歌 326番
浦ちかく
浦の近くに降ってくる雪は、白波が末の松山を越えるのかと見えることだ。

現代語訳
〔詞書〕寛平の御時、后の宮の歌合の歌。
浦の近くに降ってくる雪は、白波が末の松山を越えるのかと見えることだ。
意訳
海辺に降る雪を、決して波が越えないという末の松山を越える白波かと見た。
語釈・文法注
- 末の松山
- 陸奥国の歌枕。「波が越えることはない」とされ、変わらぬ愛の誓いに詠まれる。
和歌
- 作者
- 藤原興風(ふじわらのおきかぜ) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀前半)
藤原浜成の曽孫で、相模掾・治部少丞などを務めた。管絃にも長じた。寛平期の歌合で活躍した。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第六・冬歌・326番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「寛平の御時后の宮の歌合の歌」(寛平の御時、后の宮の歌合の歌)。
修辞
- 見立て
- 雪を白波に見立てる。
解説
藤原興風の歌。1093番の東歌「君をおきて」をふまえる。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、58〜59頁(コマ42)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日