古今和歌集 巻第三 夏歌 163番
むかしべや
昔のことが今も恋しいのか、ほととぎすは、この昔なじみの里にわざわざ来て鳴いているのだろう。

現代語訳
〔詞書〕以前住んでいた所で、ほととぎすが鳴くのを聞いて詠んだ歌。
昔のことが今も恋しいのか、ほととぎすは、この昔なじみの里にわざわざ来て鳴いているのだろう。
意訳
昔住んでいた所でほととぎすが鳴くのを聞き、鳥も昔を懐かしんで来たのだろうと思う。自分の懐旧の思いを鳥に重ねた。
語釈・文法注
- むかしべ
- 昔のころ。
- ふるさとにしも
- 昔なじみの里にとりわけ。
和歌
- 作者
- 壬生忠岑(みぶのただみね) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。右衛門府生など下級の武官を務めた。歌論書『和歌体十種(忠岑十体)』の作者とされる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第三・夏歌・163番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「早くすみける所にて郭公の鳴きけるを聞きてよめる」(以前住んでいた所で、ほととぎすが鳴くのを聞いて詠んだ歌)。
解説
壬生忠岑の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、29頁(コマ28)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日