古今和歌集 巻第三 夏歌 143番
ほととぎす
ほととぎすの初声を聞くと、どうしようもなく、相手の定まらない恋をしてしまうことだ。

現代語訳
〔詞書〕ほととぎすが初めて鳴いたのを聞いて詠んだ歌。
ほととぎすの初声を聞くと、どうしようもなく、相手の定まらない恋をしてしまうことだ。
意訳
ほととぎすの初音に心がかき乱され、誰とも決まらない漠然とした恋心がわいてくる。
語釈・文法注
- あぢきなく
- どうにもならず。
- 主さだまらぬ恋
- 相手の決まらない恋。
- せらるはた
- 「らる」は自発、「はた」はやはり。
和歌
- 作者
- 素性法師(そせいほうし) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀初め)
僧正遍昭の子。俗名は良岑玄利(よしみねのはるとし)といい、父の命で出家した。雲林院や大和の石上の良因院に住み、宇多天皇・醍醐天皇の歌会や屏風歌に召された。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第三・夏歌・143番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「郭公の初めて鳴きけるを聞きてよめる」(ほととぎすが初めて鳴いたのを聞いて詠んだ歌)。
解説
素性法師の歌。ほととぎすの声が恋心を誘うという発想は、のちにも多く詠まれる。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、26頁(コマ26)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日