古今和歌集 巻第三 夏歌 138番
五月こば
五月になったら、鳴き声も聞き古してしまうだろう。ほととぎすよ、まだ時期の早いうちの、初々しい声を聞きたい。

現代語訳
五月になったら、鳴き声も聞き古してしまうだろう。ほととぎすよ、まだ時期の早いうちの、初々しい声を聞きたい。
意訳
五月になればほととぎすの声は珍しくなくなる。だからこそ、まだ鳴き慣れない今の声を聞きたい、と初音を待つ。
語釈・文法注
- 鳴きもふりなむ
- 鳴き声も古びてしまうだろう。
- まだしき
- まだその時期に至らない。
- 聞かばや
- 聞きたい。
和歌
- 作者
- 伊勢(いせ) 872?–938?
伊勢守藤原継蔭の娘。宇多天皇の中宮温子に仕え、宇多天皇の皇子を産んだ。のち敦慶親王との間に娘の中務(歌人)を産んだ。『古今和歌集』に女性歌人として最も多い歌が入る。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第三・夏歌・138番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
解説
伊勢の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、26頁(コマ26)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日