古今和歌集 巻第二 春歌下 134番
今日のみと
今日で春が終わりだと思わない時でさえ、たやすく立ち去れる花の陰だろうか。(まして今日は春の最後の日だから、なおさら立ち去れない。)

現代語訳
〔詞書〕亭子院の歌合で、春の終わりの歌。
今日で春が終わりだと思わない時でさえ、たやすく立ち去れる花の陰だろうか。(まして今日は春の最後の日だから、なおさら立ち去れない。)
意訳
春の最後の日には、花の陰から立ち去ることなどとてもできない、と春への名残を詠み、春の部を閉じる。
語釈・文法注
- 今日のみと
- 今日だけと。
- だにも
- …でさえ。
- 花のかげかは
- 「かは」は反語。
和歌
- 作者
- 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・134番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「亭子院の歌合に春のはての歌」(亭子院の歌合で、春の終わりの歌)。
修辞
- 反語
- 「たつことやすき花のかげかは」。
解説
春歌下の最後の歌。躬恒の作で、春の部をしめくくる。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、24頁(コマ25)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日