古今和歌集 巻第二 春歌下 132番
とどむべき
引きとめることのできるものでもないのに、はかなくも、散る花ごとに寄り添ってついていく私の心であることよ。

現代語訳
〔詞書〕三月末日に、花摘みから帰る女性たちを見て詠んだ歌。
引きとめることのできるものでもないのに、はかなくも、散る花ごとに寄り添ってついていく私の心であることよ。
意訳
春の最後の日、散る花を引きとめられないとわかっていながら、心は花びらの一つ一つについていってしまう。
語釈・文法注
- やよひのつごもり
- 三月の末日。春の最後の日。
- たぐふ
- 寄り添う、ついていく。
和歌
- 作者
- 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・132番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「やよひのつごもりの日花つみより歸りける女どもを見てよめる」(三月末日に、花摘みから帰る女性たちを見て詠んだ歌)。
解説
躬恒の歌。春の部の終わり近くに置かれ、惜春の情が深い。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、23〜24頁(コマ25)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日